株価波乱の“犯人”はFRBの変節にあり…マーケットの守護神は、いまや破壊者に
古来、パニックは“政策の母”といわれている。マーケットが動揺し、人々がパニックに陥るたびに政策対応は強化され、最後は「何でもあり」の政策総動員態勢となる。
そして、危機は必ず克服される。これが歴史の教訓である。
リーマン・ショック、コロナショックがそうだったじゃないか。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)では各国中央銀行がゼロ金利政策の断行とともに、猛烈な流動性の供給を行った。その額は何と、1500兆円に達する。
その中核を担ったのがFRBだろう。総資産を一気に3.7兆ドル→9兆ドルに激増させた。5.3兆ドルの資金を放出したのだ。これが世界的な株高につながったと思う。
いわゆる、過剰流動性の存在である。しかし、いまや、FRBは変節した。マーケットの守護神ではない。破壊者に変わった。この認識が必要だろう。
だって、そうではないか。ウクライナ戦争(ロシアの軍事侵攻)においてはマーケットを救うどころか、インフレ対応を優先し、利上げ、QT(量的金融引き締め)を強行している。