「柿の種」亀田製菓株が連続年初来高値 ライバルの工場停止で需要集中
「敵失」やコロナ禍からの需要回復にご祝儀相場も重なっての“椿事(ちんじ)”か。
「柿の種」で知られる米菓最大手の亀田製菓株が今月17日から先週23日まで5営業日連続年初来高値更新という騰勢劇を演じた。この間、日経平均株価が1%下落する中での逆行高。市場では今後の株価を左右するとみられる海外事業の行方に注目が集まる。
米菓業界では今年2月、亀田に次ぐ国内シェア2位の三幸製菓(新潟市)の主力・荒川工場(村上市)で火災が発生、6人が死亡するという惨事が起こった。これを受けて三幸では全3工場で操業を停止。防火設備の再点検や新増設などの安全対策に追われた。それが「ひとまず一段落した」(関係者)として今月27日には新発田(新発田市)、新崎(新潟市)の2工場で生産再開にこぎつけている。
ただ出荷・販売の再開までにはなお1カ月程度がかかる見通し。何より火災事故のあった荒川は再建のメドすら立っておらず、影響が長期化するのは必至の情勢だ。このため「代替需要が亀田に集中して業績が押し上げられるとみた投資家がしきりに買いを入れた」(証券筋)という。