牛丼御三家で一人負けだった吉野家HDが回復の遅れをようやくキャッチアップ
牛丼御三家のなかで「吉野家」は一人負けの状態が続いていたが、ようやく回復。キャッチアップしてきた。
吉野家ホールディングス(HD)は2023年2月期通期の純利益予想を上方修正した。純利益は前期比47%減の43億円の見込みで、従来予想の35億円(前期比56.9%減)から引き上げた。新型コロナ感染症の感染防止の協力金収入が増え、経常利益が通期予想の54億円を上回り、59億円となったため業績を上方修正した。
売上高は同9.4%増の1680億円、営業利益は同43.8%増の34億円。従来予想を据え置いた。
合理化の効果が出る。不採算店舗の削減に加え、注文用のタブレットを導入し客単価アップを図るなど、店舗運営を効率化した。浮いた人手を、調理に手間のかかる高単価商品に振り向けることもできた。「はなまるうどん」は中国から撤退する。
22年10月1日から主力商品の牛丼の本体価格を一律、20円値上げした。
21年10月末にも値上げしており、牛丼(並盛り)は21年10月の値上げ前と比べると、消費税率10%が適用される店内の飲食で15.8%高くなり、387円から448円になった。傘下のうどん店「はなまるうどん」も10月から10~100円上昇したが、天ぷらやおにぎりは価格を据え置いた。
売上高原価率は22年2月期には33.7%だった。22年3~11月期は35.3%となり、1.6ポイント悪化した。