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真保紀一郎経済ジャーナリスト

ブックオフグループHD(上)ジリ貧かと思いきや…書籍以外の新ジャンルで成長軌道に乗る

公開日: 更新日:

 ♪本を売るならブックオフ~

 誰もが一度は聞いたことがあるCMソングだ。

 全国に800店舗を構えるブックオフ(企業名はブックオフグループホールディングス)。その名の通り、中古本の買い取り・販売で成長してきた会社だ。

 しかし、若者を中心に活字離れが止まらない。読むにしても「Kindle(キンドル)」のような電子書籍・雑誌で読む人が増えている。

 そのため、紙の出版物の販売金額は、1996年の2兆6563億円をピークに右肩下がりで減り続け、2022年には1兆1292億円と半減した。

 本が売れない、すなわち市場に出回る本が減れば、中古市場もじり貧になる。当然、ブックオフの業績もじり貧になる、はずだ。ところが、ブックオフの前5月期決算の売上高は前々期比11.3%増の1018億円と、初めて1000億円を突破した。営業利益は45.9%増、経常利益は31.7%増、そして最終利益は91.1%増とほぼ倍増した。

 なぜ本の流通が減っているのにブックオフの業績は好調なのか。

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