ベア大幅アップでも「賃上げと経済成長の好循環」は生まれないこれだけの根拠

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「悪循環」に陥る恐れ

 そもそも「好循環が起きる!」との前提すら怪しいのに、賃上げは「好循環」どころか「悪循環」を招きかねないという。

「賃上げは企業にとってコスト増です。生産性の向上もなしに賃上げをすれば、待ち受けるのは収益悪化や価格転嫁。インフレ率を上回る賃上げで実質賃金がプラスに転じると言われますが、企業は生産性を上げない限り、コスト増分は価格転嫁せざるを得ない。次なる物価高につながる恐れがあり、賃上げ分が相殺されかねない。こうした賃金・物価の『悪循環』が起きると、物価高をカバーできる人と、できない人の格差が開いていく。『賃上げで成長できる』は大きな誤解なのです」(斎藤満氏)

 欧米の中央銀行は賃金・物価の「悪循環」に陥らないよう、金融引き締めで需要抑制を図ってきた。日銀は今月か来月の金融政策決定会合でマイナス金利の解除に踏み切るとの観測が強まってはいるが、ここまで真逆の政策を打ち出してきた日本では、賃上げを素直に喜べない状況にある。

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