著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

東映本社ビル解体で気になる…子会社「東映アニメ」を巡る親子上場問題

公開日: 更新日:

 もっとも東映にとっての「最大の懸案」(市場関係者)にはなお明確な道筋がついたわけではない。グループで約4割の株式を保有し、東証スタンダード市場に上場するアニメ制作子会社、東映アニメーションを巡る親子上場の問題だ。時価総額の逆転現象が定着化しているためだ。

 足元の水準をみても東映本体が2600億円前後なのに対し、東映アニメは5000億円規模とその差は倍近く。東映を買収すれば自動的に東映アニメ株がおまけでついてくるうえ、買収後に東映アニメ株を売却すれば「買い手の実質的な資金負担は600億円ほどで済む計算になる」(メガバンク筋)。

 東映アニメは日本のアニメプロダクションの草分け的存在。「ドラゴンボール」「スラムダンク」や「ゲゲゲの鬼太郎」など数多くの優良コンテンツ資産を持ちグループの経営基盤を下支えする。時価総額の親子逆転現象の解消に向け、今後は東映本体の収益力と成長性をいかに高めていけるかが大きな課題となる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋