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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

トヨタ&ヒョンデの意外なアジア最強コラボ!(でナニ狙う?)…もしや水素連合もアリ?

公開日: 更新日:

「でもモリゾウだからこそね。“アイラブカーズ”と言えると思います。ヒョンデもトヨタも一緒になってもっといいクルマ、もっとモビリティの未来を作っていきたいと思いますからみなさん応援して頂きたいと思います!」

 マ、マジか? こんなコラボあり得るのか? 今週、韓国取材中にまさかの瞬間が訪れた。なんと日本のトヨタ自動車の豊田章男会長と、韓国ヒョンデ自動車のチョン・ウィソン(鄭義宣)会長が突如登場。壇上で握手したのだ。正直筆者はこんな光景を見たことがない。

 ステージは韓国の京畿道龍仁スピードウェイで、イベントは「ヒョンデN×トヨタガズーレーシングフェスティバル」。

 ここ数年、本気でレース活動や公道レーシングモデルたるNモデルを連発しているヒョンデの「N」ブランドと、同じくWRC(世界ラリー選手権)や公道最速モデルを出している「ガズーレーシング」の共同企画で、ソウル近郊でワンメイクレースやドリフトイベントを開催。

 そこに章男会長は自身のレーシングドライバー名“モリゾウ”で、それもラリー用ヤリスWRCの助手席にウィソン会長を乗せて、ドリフトしまくって登場したのだ。

WRCと水素事業を盛り上げないと…

 いかにもお祭り好きの会長らしい演出で、互いに今ひとつ盛り上がらない日本や韓国のモータースポーツシーンや、11月に愛知県周辺で行われるWRC最終戦ラリージャパン2024を盛り上げたい気持ちもあるのだろう。だが現地で会ったトヨタウォッチャーはこう言う。

「両者はかたや世界一の販売台数を誇るトヨタ、かたや世界3位のヒョンデでライバル関係にあります。ただ、WRCは今やフォード擁するMスポーツは参戦台数を減らし、名門シトロエンも撤退。本気のワークスチームはトヨタとヒョンデの2強しか残っておらず、とにかく盛り上げなければならない。

 それからやっぱり水素事業ですよ。どちらも水素を電気に変えて動かす燃料電池車のパイオニアで、トヨタは2代目ミライや日野の燃料電池バス、ヒョンデは量産世界初の燃料電池車を発売し、今は後継SUVのネッソを日本でも販売してます。ただどちらも苦戦中。ミライは国内年間販売で数百台ですし、ネッソも正直日本じゃ見ない。同じマルチパスウェイの企業として、水素を儲かる事業にしないといけない。そこで組む可能性は十分にありますね」

信じられない出来事や関係が時々生まれる

 事実、スピードウェイには互いのトヨタヤリスやヒョンデi20NのWRCマシンはもちろん、トヨタは水素を電気に変えず直接燃やす「液体水素エンジンGRカローラ」やヒョンデは燃料電池レースカーコンセプトの「Nビジョン74」を展示。今後の水素事業のコラボを匂わせた。

 夢の「脱石油」を可能にする水素を作ったクルマやカーライフの構築は今や待ったなしで、撤退はあり得ない。必ず推進しなければいけないわけで、両者はいずれにせよ、自然と協力を探ることになったはず。

 同時にしつこく「EVで遅れてる」と言われつつ、世界の自動車量産体制にはこのアジア2強が大きく関わっているうえ、水素ビジネスをリードしているのも事実。放っておくのはもったいない。

 しかし世の中、信じられない出来事や関係が時々生まれるもの。ひさびさにそれを実感した次第である。

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