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渡辺周Tansa 編集長

日本テレビを経て2000年に朝日新聞入社。17年にワセダクロニクル(現Tansa)を創刊、電通と共同通信の癒着を暴く「買われた記事」で、日本外国特派員協会「報道の自由推進賞」。寄付で運営し非営利独立を貫く。ご支援を! https://tansajp.org/information/10731/

冷戦以降、自民への献金と要望の末に…36兆円を国内軍需企業が受注

公開日: 更新日:

政治のみこむ軍産複合体(1)

 なぜ自公政権は、防衛費を激増させるのか。2023年度から27年度の5年間で総額43兆円。以前の計画の1.6倍にもっていく。中国や北朝鮮が日本を攻撃した時に備える。あるいは抑止力を持つことが本当の理由だろうか。

「憲政の父」といわれる政治家、尾崎行雄は1937年の議会で、軍事費の増加を批判した。

「仕方がないで済ませれば今後ますます軍事費が増え、国民は生活に不安を感じるようになる」

「軍備の拡大競争になった時、相手国と同等以上の軍事力を持つことができるのか」

 尾崎の言葉は今に当てはまる。

 それでも防衛費を膨張させる理由は、自民党と軍需企業との蜜月にあるのではないか。

 Tansaは冷戦が終わった翌年の1990年から2023年までを対象に、次の3点を調べた。

①防衛省側から軍需企業に対する戦闘機や艦船、燃料など装備品の発注額(各年トップ20社分)

②軍需企業トップ20社から、自民党の献金窓口である国民政治協会への献金額(公開されている22年分まで)

③日本経団連など軍需企業側の政策要望、政治への関与

 各年のトップ20社の受注額は、33年間の合計で36兆4182億円だった。

 一方で献金の総額は120億円。自民党への献金額に比べて、桁違いの金額を受注する構図だ。

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