著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

ラピダスは日本の半導体産業復活の先駆けになれるか…経産省全面支援でも市場の厳しい見方

公開日: 更新日:

 北海道千歳市で建設が進んでいる半導体メーカー・ラピダスの次世代半導体工場が今年4月に稼働する。回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)級の半導体の試作を行い、2027年から量産に入る計画だ。「2ナノ」半導体は、3ナノと比較して計算処理速度が格段に速く、次世代のスマートフォンや高度な自動運転に欠かせない。ラピダスは日本の半導体産業復活のフロントランナーとなれるか。

 12月18日、新千歳空港で開かれたラピダスの世界最先端半導体導入式典には経済産業省の関係者や北海道知事ら100人あまりが出席した。挨拶に立った小池淳義社長は、「北海道、日本から全世界に最先端の半導体を届ける。まだ1合目だが、頂上までの確実な第一歩だ」と胸を張った。

 ラピダスが新たに導入するのは「EUV露光装置」といわれるもの。特殊な光で半導体の基板に微細な回路を焼き付けるのが特徴で、ラピダスが量産化を目指す「2ナノ」半導体の製造には欠かせない装置となる。

 だが、「2ナノ」半導体を巡る競争は激しい。「台湾のTSMC、韓国のサムスン電子は25年から2ナノの量産を開始しており、米アップルは、TSMCの半導体を使って次世代のiPhoneを生産することを視野に入れている」(メガバンク幹部)という。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」