トランプ大統領が表明 USスチール問題「買収ではなく投資」の今後…日本製鉄に妙案はあるのか?

公開日: 更新日:

■“解釈変更”がベストだが…

 企業のM&Aに詳しいジャーナリストの井上学氏は、「考えられるスキームは4パターンある。日鉄にとって最も望ましいのは、①トランプ氏が現状の買収計画のままでも『投資だ』と“解釈変更”してくれること」と話す。他には、②全株取得ではなく、49%の取得に抑える。これなら買収にはならず、トランプの顔を立てられる。中間選挙後など後で株を買い増して過半を得る。③両社で持ち株会社を設立し、その下にそれぞれがぶら下がる。ただ、②も③も日鉄は経営の主導権を取れず、投資の回収に不安が残る。「最悪なのは、④ライバルの『クリーブランド・クリフス』と合弁でやってくれと言われることでしょう」(井上学氏)

 経済評論家の斎藤満氏はこう見る。

「投資と買収は概念が全く違います。投資は儲かっている会社に対して行うことが前提。USSは経営難に陥っていて、買収なら日鉄型の経営で立て直せるメリットがあった。ただの投資では意味がなく、経営を変えられるだけの影響力を行使できるのかどうか。投資の概念の中でどこまで経営に関与できるのかどうかでしょう」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾