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森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

日経新聞コラム「私の履歴書」で、伊藤忠の“ドン”岡藤正広会長の肝心なネタがスルーされた思惑

公開日: 更新日:

 香港に上場するCITICは、中国政府が100%出資する中信集団の中核子会社だ。出資会見で岡藤社長は「伊藤忠の総資産は三菱商事の半分、三井物産の3分の2でしかない。上位2社に追いつくには優良資産の積み上げが必要だ」と出資の理由を熱く語った。

 CITICは傘下に中国首位の信託会社や証券会社、銀行などを抱え、金融を中心に事業を拡大してきた。伊藤忠はCITICを持ち分法適用会社にすることで、年間1000億円以上の利益を得ている。その一方で、伊藤忠の中国向け投融資と保証額は数千億円規模にまで積み上がっており、「潜在的なリスク要因として懸念されている」(市場関係者)という。特に中国の景気減速から金融分野の不良債権問題は深刻で、トランプ米大統領による米中対立の激化も懸念される。

 社長職は譲ったものの、会長CEO(最高経営責任者)として伊藤忠の“顔”として君臨し続ける岡藤氏。伊藤忠飛躍のバネとなったとされるCITICについての言及がないのは意図的か。

 市場関係者の中には、「いま岡藤氏はセブン&アイ・ホールディングスの創業家によるMBO(マネジメントバイアウト)の資金拠出のキーパーソンと目されている。創業家が資金調達のためにタイのCPグループに接触したとの情報も、岡藤ルートではないかとみられている。その渦中だけにCITICに言及することを避けたのではないか」(大手商社幹部)との指摘も聞かれる。

(森岡英樹)

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