備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

公開日: 更新日:

 米価高騰に歯止めがかからない中、ようやく放出の運びとなった政府備蓄米をめぐり、農水省は応札を10日に締め切り、12日までに落札業者を決める予定だ。3月下旬にはコメが店頭に出回る見通しではある。が、価格の下落に専門家は否定的だ。

「一時的に米価が落ち着いても、政府は放出後1年以内に同量を買い戻します。今年、農家に前払いするJAの概算金は昨年より高くなる見通しのため、安く買い戻されることはないはずで、相場が大幅に下がるとは考えにくいのです」(米流通評論家・常本泰志氏)

 さらに、令和5(2023)年産、6(24)年産の作況指数はともに101と「平年並み」にもかかわらず、昨夏来の米騒動が収束していないことから、農水省算出の作況指数に疑問の声が上がっているというのだ。

「作況指数は全国8000カ所の水田10アールあたりの平年収穫量を100とし、1.7ミリ以上の粒厚のコメを基準にしています。しかし、玄米をふるいにかける際、これだと白濁したコメ、未熟粒や虫食いのコメも含まれてきます。昨今の農家は少なくとも1.85ミリ以上、良質なブランド米になると1.9~2.2ミリのコメを製品として出荷しているため、現場感覚は97、98といったところ。作況指数と大きく乖離しているのです」(常本氏)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態

  3. 3

    高市総裁「首相指名」に漂う不安…自民党内は“厭戦ムード”も燻る火種、飛び交う「怪文書」の中身

  4. 4

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    高市自民、公明からの三行半で早くも本性露呈…「やられたら秒でやり返す」「イキらなきゃ負け」のオラオラ体質

  2. 7

    出来たとしても高市政権は短命…誰も見通せない激動政局の行方を徹底分析(前編)

  3. 8

    佐川宣寿元理財局長のメール開示「遺族と話し合う」…森友文書で加藤財務大臣が明言

  4. 9

    進次郎氏落選もダメージなし? 妻・滝川クリステルが目指した「幸せ家庭生活」と耳にしていた夫の実力

  5. 10

    侍J井端監督 強化試合メンバー発表の裏に「3つの深謀遠慮」…巨人・岡本和真が当選のまさか