トランプ発の世界同時株安で含み損発生も…「新NISA」に手を出した個人投資家から怨嗟の声
「目先では反発するだろうが、長期的には期待できない」
新NISAは、毎月の積み立て投資と長期保有でリスクを分散しながら資産を増やすのが妙味だが、深刻なのは、日本株ではなく外国株で運用する投資信託が人気を博していることだ。
ひとつは、米国の株価指数S&P500に連動する投信。もうひとつは、オール・カントリー(オルカン)と呼ばれる商品で、全世界の株式に分散投資する投信だ。こちらは構成比の約6割が米国株である。
今回の暴落を受け、この人気商品も既にマイナスが出始めているという。
三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の基準価額は、1月24日の直近の高値3万4638円から、「トランプ関税」公表直後の今月4日に2万8603円に下落。約17%のマイナスだ。昨年1月から1万円ずつ積み立てた場合、約4%の含み損が出る状況である。
「eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)」は、1月24日の2万8060円から今月4日には2万4293円に下がり、下落率は約13%だ。
世界の株式は、今月4日時点よりも下がっているから、さらにマイナス幅が拡大していておかしくない。
株式評論家の杉村富生氏はこう言う。
「新NISAがスタートした時期に、米国株は既にピークを迎えており、あとは落ち着いていく局面でした。事実、著名投資家は去年夏ごろに主要な米国株を売り抜けています。そんな状態の中、トランプ関税でさらなる景気後退は必至ですから、米国株の上昇は見込みづらい。目先では反発すると思われますが、長期的には期待できないでしょう。さらに、トランプ大統領はドル安誘導を是としていますから、円高進行が予想され、ドル建て資産は価値が目減りしかねません」
新NISA勢は戦々恐々ではないか。
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