新型ダイハツ ムーヴに初試乗! スライドドア化は是か非か? 王者ホンダN-BOXと比べてみた
「走り」と「価格」ではムーヴに軍配
では改良型ムーヴに価値はないのか? ってそんなことは全然ない。
まず圧倒的に自然でいいのは走りだ。N-BOXも背高スーパーハイトワゴンの割に乗り心地はいいし、静かさもなかなか。ただし、特に今回乗ったターボモデルだとパワーがある分、上屋が揺れるのでどうしても足を固める必要があるし、乗り心地がシビアになる。
比べるとムーヴはパワフルな64psエンジンのRSターボに乗っても足周りはしなやか。特にコーナリング中にボディがグラっとくる感じが全然ない。長距離を違和感なく走れるのは間違いなくムーヴだろう。
さらに言うと価格だ。2011年のデビュー以来、軽の枠を越えて乗用車として売れに売れまくっているN-BOXだが、最大の魅力は軽自動車とは思えない広さとクオリティにある。
ホンダブランドならでは強みもあるが、価格は普通の軽よりちょっと高くなるが、その分「軽とは思えない軽」を広さ、走り、クオリティで実現してきた。その分どうしても高くはなる。
事実、N-BOXは今年の価格改定でベーシックなノンターボモデルが173万円を超え、ターボモデルを要するN-BOXカスタムが212万円を超えてきた。今の価格高騰もあるが、ぶっちゃけもはや「軽の価格」ではない。
それに比べるとムーヴは、装備や質感を抑えてスライドドア化した結果、スタートで135万円台、普及版で149万円台、ターボモデルで189万円台の価格を実現した。
もちろんすぐに販売でN-BOXを超えることはないだろう。だが、日本人が急激にお金持ち化しない限り、この安さに正義は間違いなくある。また狭いといわれるリアシート開口部だが、乗り降り時に男性が頭をちょっと下げれば十分使える。
ちょっと背の低い普及型軽ハイトワゴンのスライドドア化、これは間違いなくアリだと思う。