象印マホービン 市川典男社長(1)象のマークの秘密 商売人の兄と職人気質の弟で創業

公開日: 更新日:

 一貫製造をすることでブランドが必要になり、象のマークが生まれた。元々、魔法瓶は東南アジアへの輸出がメインだったといい、現地で馴染みのあるものの中から象が選ばれたという。

「象は頭が良く、家族愛の強い動物です。イラストでパッと見てもわかりやすいですよね。また、魔法瓶はガラス製なので割れやすいのですが、うちのは丈夫ですよというメッセージも込めて選んだそうです」

 58年生まれの市川社長の幼いころの思い出は工場の中にある。

「私が生まれたころには生産や開発は八尾の工場で行っていました。5歳まで工場の中に家がありました。そこには集団就職の工員さんの寮もあり、工員さんに遊んでもらった記憶もあります。工場なので小学校のように長い手洗い場があったのですが、そこに水をいっぱい張って、折り紙やササで作った舟を浮かべて遊んだのを覚えています」

 家族経営で、父や叔父が働く姿を見て、自然と自分も後を継ぐものだという意識で育った。大学卒業と同時に、81年に入社。「コンピューター時代に乗り遅れないためにも、システムは人任せにしてはならない」と当時社長であった父の指示でシステムを構築するプロジェクトチームに参加。その後、営業・開発・国際関係・経営企画などの業務を経て、2001年に社長に就任して現在に至っている。 (つづく)

(ジャーナリスト・中西美穂)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    激太り危機は今や昔…浜崎あゆみ「激ヤセ説」も「連日ケーキ2個」の健啖ぶり

  3. 3

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  4. 4

    小芝風花&森川葵はナゼ外れた? 来秋朝ドラ「ばけばけ」ヒロインを髙石あかりが射止めた舞台裏

  5. 5

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  1. 6

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 7

    カブス鈴木誠也に「打点王」がグッと近づく吉報 “目の上のタンコブ”スアレスにア・リーグへのトレード情報

  3. 8

    立浪和義の「白米禁止令」は星野仙一イズムの継承だろう…かつては自身も大目玉を食らっていた

  4. 9

    参政党の公党にあるまじき「メディア排除」気質…会見場から神奈川新聞の批判記者を締め出し

  5. 10

    さや氏「略奪婚は人の道に反する」と否定もネットでは“今井絵理子枠”確定の皮肉…胸元露わな妖艶スタイルも