出前館が連続赤字に下方修正…筆頭株主LINEヤフーにのしかかる重荷
24年の市場規模は7967億円で前年から7.6%減少した(サカーナ・ジャパン調べ)。ウーバーとの差を埋めるためか近年では飲食店以外との連携もみられる。出前館は22年にウエルシア、23年にくすりの福太郎のデリバリーを開始した。
競合のmenuは東武ストアなど地場スーパーの配送に対応している。業界関係者によると、「小売店との連携は地方や郊外など、飲食店が少ない地域の売り上げを底上げする狙いがある」という。
出前館はこれまでに大量の広告宣伝費を投じてきた。21年度には売上高を上回る販管費312億円を計上。23年度は販管費228億円で、123億円の営業赤字だった。19年度以降、営業益・最終益ともに赤字が続いている。ユーザー獲得競争では広告量が要となるためだ。
一方で財務状況は健全だ。20年度にはLINEと韓国NAVERを割当先とする第三者割当増資で300億円を調達。22年度にも新規株式の発行で776億円を調達し、以降、自己資本比率は7割水準を維持している。出前館は今期第3四半期末時点で301億円の現金を保有。度重なる出資でLINEヤフーが出前館の株式4割弱を保有する筆頭株主となった。とはいえ、売り上げの確保には苦戦している。