定食チェーン大手3社が軒並み店舗数減…業績改善でも厳しい未来予想図

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競合が多いため値上げ耐性が低い

「ほっともっと」を運営するプレナスの「やよい軒」も、20年2月期末時点で国内382店舗を展開していたが、今年7月時点で360店舗である。プレナスは23年3月期にMBO(経営陣による買収)を実施して、株式を非公開化した。やよい軒事業に関しては、本部が建物や設備などを用意する「ユニットFC制度」を活用して800店舗体制を目指すと公表していたが、現時点でその可能性は見えてこない。

 客が総菜や小鉢を自分で選べるスタイルの「まいどおおきに食堂」も19年末時点で国内では直営143、FC261の計404店舗を展開していたが、コロナ禍以降に閉店が続き、今年6月末時点で直営78、FC160、委託27の計265店舗となった。なぜ定食業態は各社とも苦戦しているのか。

「定食は和食系が中心なので1食あたりの総菜数も多く、手間がかかる。だが、消費者はラーメンなど他業態と同じ価格帯が望ましいと認識している。人件費や原材料費の高騰で値上げしたが、単に客離れをもたらした」(前出の関係者)

 競合が多いため値上げ耐性が低いというわけだ。たとえば、19年に700円台だった「大戸屋ランチ」は現在、900円台で提供している。

 一方で、不採算店の閉鎖を経て各社の業績は改善した。大戸屋HDの営業利益は18年度の4.1億円から24年度の16.6億円まで上昇。

 まいどおおきに食堂を運営するフジオフードグループ本社も、5年間最終赤字が続いたが、24年に黒字を達成した。しかし、再成長は難しいという。

「値上げで1食1000円以上のメニューが主になった。チェーンの中では割高なので大都市圏など出店地域は限られる」(前出の関係者)

 効率化による値下げか、価格に相応する品質の訴求か……新たな施策を打ち出せなければ現状維持が続くだろう。

 (山口伸/ライター)

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