アパレル世界2位のH&Mを猛追! 絶好調ファーストリテイリング・柳井正会長の“後継者選び”で注目の動きが
「ファーストリテイリングは366カ所(9月時点)の縫製工場を世界に分散しているが、うち60カ所はベトナム、27カ所はバングラデシュにあり、これらから米国に輸出している。8月以降、両国には20%もの高関税が課されており、影響は避けられない」(メガバンク幹部)とみられている。
9日の決算説明会で柳井正会長兼社長は、米国関税について、「貿易の阻害が戦争につながった例もある」と、トランプ関税を強い調子で批判した。
その柳井氏は、今年76歳になるが、ファストリの成長はそのカリスマ経営に負う部分が大きいだけに、後継者選びは難題だ。柳井氏は02年に玉塚元一氏(現ロッテホールディングス社長)に社長の座を譲ったものの、05年には玉塚氏を更迭し、会長兼社長として復帰。以来、20年間にわたり、経営の第一線に立ち続けてきた。
後継者について、柳井氏は「次も創業家の人間がCEOになれば社員は夢がなくなる」と語り、「一海・康治の2人の息子を業務執行の責任を負う社長にはしない」と繰り返してきた。
最近、後継者選びで注目される動きがあった。ファストリの取締役に、11月27日付で塚越大介ユニクロ社長兼COOが就任する人事だ。現在、同社の役員は、社外取締役や監査役を除くと、柳井正会長兼社長、岡崎健取締役グループ上席執行役員CFO、柳井一海取締役、柳井康治取締役の4人。そこに塚越ユニクロ社長兼COOが加わることになる。