住宅ローン診断カンパニー 前田一人社長(1)5歳で気づいた「お金」という現実

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「父親を絶対的な存在だと思っていたのに、お金の前では無力だった。お金はそれだけ偉大な存在なんだと、再び学びました」

 ほかにも身近な人々が金融の知識不足で苦しむ姿を見て確信した。金融のプロと一般消費者の間には大きな情報ギャップがあり、それが人生を左右してしまう──この問題を解決しなければならない。

 そんな思いを抱えていた2013年、電車の中で転機が訪れる。周囲を見渡すと、誰もがスマートフォンを手にしていた。ガラケーを使っていた前田は、その光景に衝撃を受けた。

「これからはITだ」──そう直感した瞬間、すべてがつながった。

 ITの力を使えば、金融の情報格差を埋められるのではないか。社会人向けのウェブサイト制作講座に通い始め、ベンチャーキャピタルの朝の相談会にも足を運んだ。

 ピッチコンテストで20組中19位という結果に終わったものの、ファイナリストになれたことが自信となった。35歳──もう言い訳はできない。コンテスト翌日、銀行に退職を申し入れた。 (つづく)

(ライター・いからしひろき)

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