いよいよ徴収が始まる「独身税」は理解が得られるのか?

公開日: 更新日:

 新制度は少子化問題の解決のため子どもや子育て世代を全世代、企業が支える仕組みだが、独身者や子どもがいない世帯にとっては制度の恩恵を直接受けることはできない。ニッセイ基礎研究所・総合政策研究部の永井啓夫研究理事がこう指摘する。

「『独身税』と批判的に言われるのは、『受益と負担の非対称性』が原因です。支援金による受益は子育て層に集中する一方で、独身者や高齢者などの非子育て層には支援金による受益が感じにくく、不公平感が生じやすいという問題を抱えている」

 さらにこう述べる。

「子どもの育成は将来の税負担と労働力供給や社会保障の持続可能性に寄与するという効果が長期的でかつ間接的なため、個々人の負担との対応関係が理解されにくいことが課題です」

 未婚化や、晩婚化の進行で子どもを持つことを躊躇する女性が増えたことも制度の基盤である幅広い世代の分かち合いが揺らいでいる背景といえよう。

 新たな制度の導入で少子化を解消する道筋につながるのか。重要なのは負担と使途、そして少子化への政策効果を可視化し、国民に理解と信頼を高めること。そのための十分な説明が不可欠だ。

(ジャーナリスト・木野活明)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    「丸亀製麺」のトリドールが過去最高益から一転、減益に見舞われた背景

  2. 2

    ベッセント米財務長官ブチ切れに大はしゃぎ NYT報道「一部の経済顧問は高橋洋一氏」説の勘違い

  3. 3

    明治安田生命「円建て一時払い養老保険」のお得度は? 期間10年で利率3.45%、30年ぶりの水準に引き上げ

  4. 4

    止まらない「人手不足倒産」…8月は過去最多を記録、もはや“ブラック企業”は成り立たない

  5. 5

    長期金利30年ぶり3%突破…市場と対話できない高市首相が招く「想定外」の最悪シナリオ

  1. 6

    くら寿司が「ちいかわ」コラボ景品抜き取り疑惑で騒然! 第2弾「湯呑み」まで開始前からメルカリ出品?

  2. 7

    米FRB議長がタカ派に豹変! 後手後手の植田日銀に「9月利上げでも円安是正は絶望的」と専門家バッサリ

  3. 8

    高市政権が国民資産「強奪」計画! 現預金1100兆円を狙い撃ち、放漫財政のツケを庶民のフトコロに押しつけ

  4. 9

    ナフサ不足「6月に詰む」発言翌日、勝手に「事実誤認」と断定…高市政権“安心演出”の欺瞞

  5. 10

    フィットネスクラブの倒産急増! 数が増えすぎ自然淘汰か…前年32件から2026年は40件に到達の可能性

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「24時間テレビ」SixTONES起用もマラソン募金額46%減で“旧ジャニーズ一極集中”は終焉へ

  2. 2

    「タンス預金2000万円」相続税はどうやってバレる? 税務署が追う“亡き親の出金”

  3. 3

    ビジネスホテルなら旅行予約サイトより直接予約をおすすめするシンプルな理由

  4. 4

    U18高校代表16人の全進路が判明! プロ志望7人、早大&青学だけで計4人、社会人は2人

  5. 5

    水前寺清子(1)作詞家・星野哲郎への恩と愛称「チータ」誕生の理由

  1. 6

    「橋上代行昇格は絶対ない」 巨人来季監督に浮上する松井秀喜氏、高橋由伸氏に次ぐ「第3の男」

  2. 7

    WEST.重岡大毅の結婚にファンの怒りと落胆…“祝福されないアイドル”がやらかす「3つの誤算」

  3. 8

    明治安田生命「円建て一時払い養老保険」のお得度は? 期間10年で利率3.45%、30年ぶりの水準に引き上げ

  4. 9

    広島新井監督はクビ濃厚…火中の栗を拾う次期監督「本命」「対抗」「大穴」4人の名前

  5. 10

    ベッセント米財務長官ブチ切れに大はしゃぎ NYT報道「一部の経済顧問は高橋洋一氏」説の勘違い