具体的な開発の中身は? オープンしたら依存症や治安はどうなるか?
治安悪化はウソ。ラスベガスはマフィア崩壊。夜も1人で歩ける
カジノで困窮すると、強盗や暴力事件が頻発するなど、周辺の治安が悪化するのではないかという不安もあります。
「そういった方々に私は言いたい。『でしたら、治安の悪化を示すエビデンスを出してください。カジノを造って治安が悪くなった場所を教えてください』と。私は犯罪学者で、博士号の学位も取得しています。その私が声を大にして訴えましょう。『新たにカジノができた地域の前と後の治安を比べても、犯罪は増えていません。殺人や強盗といった凶悪犯罪が増えるというのは、真っ赤なウソで、逆にどんどん減っているんです』。なぜならカジノの周辺には安全な空間が広がりますから。駐車場も含めてIRの施設は監視カメラが至る所に設置されています。ゴミも落書きなどもない“きれいな空間”を造れば、カジノ利用客を目当てに飲食店や土産物店などを出したいという需要が高まり、業者が土地を買収して地価が上がる。そのいい例が豪州メルボルンです。決して安全とはいえない場所にIRを造った結果、その周囲の開発が進んで、“きれいな街”が広がりました。治安のいい地域になったんです」
「かつてのラスベガスはマフィアが仕切っていた」という指摘もあります。
「ラスベガスでは、1979年を転換期としてマフィアは崩壊しました。カジノ反対派でさえ、『この街にマフィアはいない。治安に心配はない』と声明を出しているほどです。日本は後発なのですから過去の事例に学べばいい。例外を挙げるとすれば、韓国のカンウォンランドです。カジノの周囲に質屋が激増し、そこに居ついて破産する客が続出したことはありましたが、例外中の例外。なぜかというと、依存症対策など何も手を付けずにスタートしてしまいましたからね。一方、ラスベガスは今、夜も安心して歩ける街のひとつになっているんです」
▽谷岡一郎(たにおか・いちろう) 1956年大阪府生まれ。慶応義塾大学法学部卒業後、南カリフォルニア大学大学院の修士課程、同博士課程修了。1997年大阪商業大学学長、2005年学校法人谷岡学園理事長にそれぞれ就任。ギャンブル学、犯罪学、社会調査方法論などを研究。中でもギャンブル研究には定評があり、 日本のカジノ合法化論議では数々の提言を行っている。
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