大和ハウスが「新築戸建て住宅」販売を都市圏に集約…もやは地方で売るのが難しくなった背景
会社の看板を背負った一戸建て事業の位置づけは市場でも社内でも変わってきていたようだ。前出の幹部社員が続ける。
「十数年くらい前から新入社員の配属先として一戸建て部門は人気がなくなった。個人客の都合に合わせて週末も働く住宅営業より、土日休みになる法人相手の仕事が好まれる。人材の定着も難しくなった」
今回の再編では、新築の販売地域を絞る一方、既存住宅のアフターサービスは全国で続ける。リフォームや仲介、買い取り再販などは「大和ハウスパートナーズ」に集約。建てた住宅を手入れし、次の住み手につなぐ事業を強化する。全国で長年にわたって供給してきた住宅と顧客との接点を、将来の収益につなげようというわけだ。
人口減少と建築費高騰は、住宅業界に共通する課題だ。販売棟数の拡大が難しくなれば、高価格帯への移行や既存住宅から収益を得る事業の重要性は増す。新築を何棟売るかに加え、建てた後の住まいにどう関わり続けるかが、経営を左右するようになる。
祖業を聖域にせず、需要と働き手の変化に向き合う大和ハウス。その合理的な決断は、全国で新築一戸建てを大量供給してきたハウスメーカーの成功モデルが、曲がり角を迎えたことを示している。
(小野悠史/ニュースライター)



















