「安保」採決めぐり二転三転…「維新の党」3つに割れて迷走中
自民党と“対決”するのか、それとも“協力”するのか、「維新の党」が迷走を続けている。
この先、国会の焦点は、安保法案の採決に維新が出席するのかどうかだ。「強行採決」という批判を避けたい自民党は、どうしても維新を採決の場に引っ張り出したい。公明党は与党だけの「強行採決」を認めない方針だ。
ところが、維新は「採決」に応じるのか、応じないのか、方針が二転三転、幹部によって発言もバラバラ。自民も、民主も、たかが50人の野党第2党に振り回されている。
「維新の馬場国対委員長は7日、民主党に『安保法案の採決に応じよう』と持ちかけています。ところが、維新の最高顧問である橋下徹氏は『堂々と採決拒否すべきだ』と、正反対のことを口にしている。維新の党は本当に分かりづらい。支離滅裂です」(政界関係者)
なぜ、維新の党はここまで混乱しているのか。原因は党内が3つに分かれているからだ。
「松野代表、柿沢幹事長、江田憲司といった主流派は、最後まで自民党と対決し、採決も拒否する方針です。ところが、安保特別委の理事として自民党と交渉している下地幹郎さんは、自民党に全面協力する構えです。下地さんは菅官房長官とツーカー。自民党出身の下地さんは、自民党に戻りたいのでしょう。だから、どんどん自民党寄りで話を進めている。さらに、党内を混乱させているのが、馬場国対委員長などの大阪組です。彼らは、橋下さんの考えを代弁しているつもりです。でも、彼ら大阪組は、橋下さんと気楽に話を出来る関係ではなく、気持ちを“忖度”して動いているため、あとから橋下さんが正反対の発言をすることも多い。そのため、ますます分かりづらい政党になっています」(維新の党事情通)