自民・下村博文氏「大連立」発言のウラに野党分断工作
「大連立を組むのもひとつの考え方」
自民党の下村博文憲法改正推進本部長が、3日のBS番組で、改憲を巡って野党と組む可能性に言及したことが物議を醸している。安倍首相が「2020年の改憲」を打ち出しているのに、国会でなかなか議論が進まないことに業を煮やしての発言だろう。改憲に消極的な公明党への“脅し”の意味合いもあるとみられるが、隠れた狙いは、参院選を目前にして野党を揺さぶる「分断工作」だ。
番組で下村氏は「大連立」発言の一方で、衆院憲法審査会が膠着状態となっている原因が「立憲民主党の枝野代表」だと批判。下村氏が想定する大連立の相手が、政権寄りの「日本維新の会」だというのは想像に難くないが、それだけではないという。
「国民民主党ですよ。同党には、改憲に前向きの議員が少なくない。衆参同日選観測が広がる中、『改憲の是非』が民意を問う大義になる可能性も出てきている。そうなれば、国民民主党と立憲民主党がますますギクシャクするのは間違いないし、『大連立』の誘い水で選挙後にこっちへ近づいてくる国民民主の議員もいるでしょう。国民民主が選挙でジリ貧になれば、分裂する可能性だってある」(自民党関係者)