沢尻エリカ逮捕…対テロ戦争が招いた日本の深刻な薬物汚染
米国は2001年のアフガニスタンでの対テロ戦争開始後、麻薬撲滅を公には訴えてきた。タリバンの麻薬製造工場を空爆などで攻撃するたびに米軍はその模様を公開している。しかし、アフガニスタンでのケシ栽培は増加し続け、製造される麻薬は後を絶たない。アフガニスタンのケシから造られるヘロインは反政府武装勢力タリバンや、IS、またアルカイダなどの過激派組織の財源ともなっている。
アフガニスタンで製造されるヘロインは、犯罪組織などによって世界各地に運び出されている。また、ヘロインの流通に手を染める政府関係者もいて、アフガニスタン政府の腐敗の背景ともなっているが、それほど莫大な利益を上げられるということだ。米軍は公式にはアフガニスタンの麻薬と闘うと言っているが、米国が支援するアフガニスタン政府支配地域でもケシの栽培は警察官に守られながらあからさまに行われている。
米英がアフガニスタンに侵攻した時に、アフガニスタンのケシ畑は7万4000ヘクタールだったのが、17年には32万8000ヘクタールと4倍以上にもなった(国連薬物・犯罪事務所UNODCの数字)。アフガスタンでは、以前はケシの樹液を乾燥し、粘着状のペースト状態にしたアヘンが国外に持ち出されていたが、現在はアヘンに含まれるモルヒネから精製されて作られるヘロインが運び出されるようになった。