同志社大教授・浜矩子氏が問う 2020年気になる3つの「D」
もうひとつの②は、英国とEU。昨年12月の総選挙でジョンソン英首相の保守党がとんでもない勝利を収め、英国のEU離脱がいよいよ現実となろうとしています。
そして、EUから英国が離れると③の可能性が高まります。スコットランドが英国から離脱、独立する。北アイルランドも同様に英国から離脱し、アイルランド共和国に属する。そんなことが起こるかもしれません。「ブレグジット」によって「スコジット」「北アイルジット」が展開されるわけです。
■日本人よ、覚醒せよ!
もうひとつ。まさかのまさかですが、③の可能性として、ドイツが再び東西に分裂する恐れを危惧しています。
昨年は「ベルリンの壁」崩壊から30年という節目の年でした。そんな歴史的な時あたかも、旧東ドイツの諸州で、現在のドイツの体制に対する不満が大きくなっています。「我々はまだまだ三流市民扱いされている」「北アフリカからやってくる移民の方が、東独人よりも大事なのか」といった声が高まっている。そうした人々の憤懣や嘆きを巧みに引き寄せ、ポピュリストや右翼、排外主義者たちが、特に東ドイツで得票を集めるという状態になっています。