米兵3000人手配 米軍の対イラン戦準備は着々と進んでいる
安倍首相も河野防衛大臣も「イランをめぐる中東情勢は危機的状況を脱し、安定化している。自衛隊も安全な状況で情報収集に当たれる」と能天気な発言を繰り返している。トランプ大統領の立場も、イランの怒りも分かっていないようだ。
まずはアメリカの内情だ。イランのソレイマニ司令官を殺害したのは計画通りであったが、その報復としてイランが米軍基地に撃ち込んだミサイルを迎撃できなかったことに衝撃が走っている。確かに米軍に死者は出なかったが、11人が脳振とうを起こして治療を受けているという。高額のアメリカ製迎撃システムがまったく機能しないことが判明し、米国の信用は丸つぶれ。周辺国からはイラン製のミサイルを導入する動きも出始めている。
そのため危機感を強めた米軍は、新たにサウジアラビアにF15―E飛行中隊を送り込んだ。ここからイラン攻撃をスムーズに展開しようとの考えで、昨年末のアラブ首長国連邦(UAE)への戦闘機配備に次ぐ危機対応だ。米陸軍のマッカーシー長官は「イランとの戦争に備え、新たにミサイル防衛を強化する」と宣言した。