著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

昭和19年7月 岡田啓介ら重臣の包囲網で東條内閣は倒れた

公開日: 更新日:
米内光政(左)と岸信介は説得に応じなかった(C)共同通信社

 東條内閣打倒の動きは、いくつかのルートで活発化したのだが、もっとも力を持ったのは海軍の長老ともいうべき存在で、重臣(首相経験者)でもあった岡田啓介であった。岡田は2・26事件当時の首相で、青年将校の襲撃を受けたが、とにかく命は永らえた。岡田はこの年2月の東條首相・陸相の参謀総長…

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