過去最多 学校でのいじめ増加は日本社会全体の反映である
日本の社会は今、さまざまな所で歪みが表れているが、学校も例外ではない。
文科省の調査によると、2019年度に全国の小中高と特別支援学校で認知されたいじめが、前年度から7万件近く増え、61万2496件と過去最多だったという。
命に関わるいじめや、いじめが原因とみられる不登校を含む「重大事態」も2割増の723件で最多となり、パソコンや携帯電話などでの中傷も、1万7924件で過去最多。さらに「SNS上でのいじめも増加傾向にある」と発表した。
自分たちと何らかの点で異なる人への攻撃が学校で生じているのである。これは政治の世界で生じていることと同じであるが、疑問の声はほとんど聞かれない。
自民党の総裁選で、菅首相はフジテレビで「私どもは選挙で選ばれているから、何をやるという方向を決定したのに、反対するのであれば、異動してもらう」と語っていた。もちろん、国家公務員は首相の指揮下にある。しかし、日本国憲法は第15条で「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」とある。当然、ここでいう「一部」とは「政権」も意味する。