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片岡健ノンフィクションライター

出版社リミアンドテッド代表。著作に、「平成監獄面会記」、同書が塚原洋一氏によりコミカライズされた「マンガ 『獄中面会物語』」(共に笠倉出版社)など。

積水ハウス地面師詐欺事件 ドラマのモデルの「主犯格」が獄中から文通で訴える冤罪

公開日: 更新日:

現在、再審請求を準備中

カミンスカス受刑者からの手紙(提供写真)

 大手住宅メーカーの積水ハウスが2017年3~6月、東京・五反田の旅館「海喜館」の所有者に成りすました地面師グループから土地建物の売買代金の名目で55億円余りを騙し取られた事件は、事件がモデルの小説「地面師たち」がNetflixでドラマ化されて大ヒットした。その主犯格とされるカミンスカス操受刑者(65)は実は獄中で冤罪を訴え続けている。

  ◇  ◇  ◇

「初めまして。私は地面師事件のカミンスカス操です」

 今年5月、カミンスカス受刑者から届いた手紙はそんな書き出しで始まっていた。単刀直入に冤罪を訴える手紙だった。

 計17人が逮捕されたこの事件で、カミンスカス受刑者は土井淑雄受刑者(70、懲役11年が確定)、内田マイク受刑者(72、懲役12年が確定)と共に犯行を主導したとされ、懲役11年が確定。疑われた理由は、「海喜館」所有者の女将に成りすました女らと共に積水と直接交渉し、売買の契約、物件の内覧、代金の決済などを中心になって手がけたことだ。

 だが、カミンスカス受刑者によると、実際は自分も土井受刑者や内田受刑者らに騙され、海喜館の女将に成りすました女を本物の女将と信じていたという。 

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