トランプ氏の“Xマス和平”ゴリ押しで追い込まれたゼレンスキー氏…「ウクライナ大統領選」実施で領土割譲容認

公開日: 更新日:

 筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)はこう言う。

「ゼレンスキー氏は侵攻開始以降、最も苦境に立たされているといっていい。大統領選実施はもろ刃の剣です。有権者の確定にあたり、前提となるのが選挙区。つまり、領土の範囲です。ゼレンスキー氏は、ロシアが2014年に併合したクリミア半島や22年に併合宣言した東部・南部4州もウクライナ領だと訴えてきた。しかし、クリミアを除いても領土の22%を軍事制圧されている。そうした地域で選挙実施は困難です。表立って割譲を容認することはできないものの、戦争を止めるためにギリギリの線を攻める戦略なのでしょう」

■高笑いプーチン12.19会見

 プーチン大統領は親ロ政権が倒れた直後にクリミア併合を強行した。親欧米のゼレンスキー大統領も狙い撃ちにされ、再選はおぼつかない。

「大統領選はオンライン投票となる可能性大。そうなればロシアの思うツボです。傀儡政権を樹立するため、どんな手を使ってでも介入する。プーチン氏は年末恒例のマラソン会見を19日に控えています。その場で『特別軍事作戦』の休止と成果をアピールするため、一気に和平案を仕上げようとしている。ロシア正教のクリスマスにあたる1月7日までに具体的な内容を詰めるスケジュールで動いているのでしょう」(中村逸郎氏)

 権威主義者の高笑いが響き渡りそうな年の暮れだ。

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