高橋善正氏も称賛「ドラマ不足の球界を星野監督が盛り上げた」

公開日: 更新日:

 ちょっと極端なケースを例に出したが、最近のプロ野球は常識にとらわれすぎてドラマがない。先発投手は中6日をあけなければ投げないし、最後は決まった抑えが出てくる。見ているファンの想像を超えたシーンがめっきり減った。

阪神の金本が左手首を骨折し、右手一本で痛烈なヒットを打ったことがあった。あれだって打席に立たせた岡田監督をとやかく言う人もいるが、ファンの度肝を抜く一打は伝説になっている。

 東北に悲劇が襲ったのは2011年3月11日。星野監督が楽天監督に就任した1年目だった。楽天ナインは大地震と想像を絶する大津波の爪痕を目の当たりにし、声も出なかったという。各地で義援金を集め、被災地を慰問。他の11球団とはまったく違う形で被災地、被災者の人たちと接してきた。

 楽天の快進撃が被災した人たちに与えた「勇気」は微々たるものかもしれない。だが、私が思うに、あの悪夢のような大震災がなければ、今オフにメジャー移籍が濃厚でなければ、星野監督はあそこまで田中の起用にこだわらなかったと思う。

 東北のファンは、みんな田中のカラダを心配しつつも、「最後はマー君で日本一」と願っていたはずだ。酷使の批判を承知の上で星野監督は決断したのではないか。

(野球評論家・高橋善正)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  3. 3

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  4. 4

    “過労”のドジャース大谷翔平 ロバーツ監督に求められるのは「放任」ではなく「制止」

  5. 5

    巨人が借金生活突入で「日本人メジャー投手」緊急補強に現実味…マエケン、藤浪、青柳の一挙取りも

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  2. 7

    阪神・藤川監督が報道陣と連日の長話…“豹変”の裏に株主総会での「リーダーの資質ナシ」痛烈批判

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 9

    巨人は「分析と対策がまるでダメ」…またも阪神にワンパターンでやり込められる“カモネギ”

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 2

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  3. 3

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  4. 4

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  5. 5

    “過労”のドジャース大谷翔平 ロバーツ監督に求められるのは「放任」ではなく「制止」

  1. 6

    酒豪は危険…遠野なぎこが医学教授に指摘された意外な病名

  2. 7

    今度は井ノ原快彦にジュニアへの“パワハラ疑惑”報道…旧ジャニタレが拭い切れないハラスメントイメージ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策

  5. 10

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去