本田圭佑「虚像と実像」(8)同級生が「裏口で入ったんか?」

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 本田は、プライベートの立ち居振る舞いでも異彩を放っていた。

■3年間同じ格好

 4月から10月までは毎日、赤いタンクトップにジーンズ姿。秋口から冬にかけてダウンジャケットを羽織る。背中には使い古した真っ赤なリュック。足元は夏も冬も同じボロボロのスニーカー。

 中学3年間、貧しかった本田はずっとこの格好だった。
 ジュニアユースの仲間は、本田のプライベートに関わろうとはせず、普段の付き合いを避ける傾向もあった。

 しかし、本田はそんな空気をよそに、ズンズンとチームメートの輪の中に入っていった。

 練習後、自転車をこいで帰ろうとする家長ら中心選手たちを、無言のまま追い掛けていく。いきなり仲間内の会話に割り込んだり、呼んでもいないのにくっついてくる。

 與が言う。
「あえてストレートに言いますが、チームの“序列”をきちんと把握した上で“コバンザメみたいな動き”をしながら、一番上手なヤツ、仲良しグループのリーダー的存在と親密な関係になりたがった。そうすれば本田自身の評価が上がる、という計算が働いていたのかも知れません」
(敬称略=つづく)

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