長嶋の横浜大洋監督就任を潰したのは財界の大物だった

公開日: 更新日:

 招聘の意思を公にして失敗に終わった81年とは異なり、84年の長嶋大洋入りの根回しは密かに行われていた。本人もその気になっていたのだが、土壇場になってご破算になってしまった。ある大物財界人の反対にあったからだという。その人は瀬島龍三氏(故人・円内)。太平洋戦争中は大本営参謀で戦後は伊藤忠商事会長などを務めた実業家だ。長嶋は日頃、瀬島氏にいろいろと相談にのってもらっていた。

「長嶋さんは野球人だから、またユニホームを着たい気持ちは強かった。現場に戻れるなら、球団に対するこだわりも当時は特別なかった。それが瀬島さんに会って、『君は巨人の長嶋だろ!』と一喝されて気持ちがグラついたと聞きました。瀬島さんは巨人ファンでしたし、企業経営にも詳しかった。大洋球団の将来性や親会社が長嶋さんを人気取り、話題づくりに利用するのでは、と心配したのかも知れません。いずれにしろ、あの時が巨人以外のユニホームを着る最大の、そして最後のチャンスでしたね」(菅谷氏)

 大洋が関根監督の後任に近藤貞雄監督の就任を発表したのは84年10月13日のことだった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  2. 2
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  3. 3
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

  4. 4
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 5
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  1. 6
    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

  2. 7
    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

  3. 8
    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

  4. 9
    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

  5. 10
    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終