長嶋の横浜大洋監督就任を潰したのは財界の大物だった

公開日: 更新日:

 長嶋監督が「男のけじめ」といって退団したのは、巨人が3年連続V逸となる3位に終わった1980年。93年に巨人に復帰するまで、他球団でユニホームを着るチャンスは何度かあった。84年オフの大洋(現DeNA)入りもそのひとつだ。長嶋本人もその気になり、就任会見のシナリオまでできていたのだが、土壇場になって潰れてしまった。なぜか……。

「長嶋(茂雄)が来るよ」

 大洋は1984年8月14日から名古屋で中日と3連戦を戦った。当時、共同通信名古屋支社の運動部デスクだった菅谷斉氏(現スポーツライター)はその時、大洋の関根(潤三)監督にこうささやかれ、すぐにピンときたという。

「話は3年前にさかのぼります。81年シーズン、土井(淳)監督率いる大洋は開幕から低迷し、親会社の大洋漁業(現マルハニチロ)と球団はシーズン途中から次期監督を探し始めた。そして白羽の矢を立てたのが、巨人を退団して1年目の長嶋さんだったのです」

 81年9月24日、大洋漁業中部藤次郎社長は記者会見を行い、「土井淳監督の解任と次期監督は第三者を通じて(長嶋さんと)交渉中」であることを明らかにした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々