著者のコラム一覧
児玉光雄追手門学院大学客員教授

47年兵庫生まれ。京大工学部卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院に学び工学修士号を取得。米国オリンピック委員会スポーツ科学部門本部の客員研究員として五輪選手のデータ分析に従事。前鹿屋体育大教授。日本スポーツ心理学会会員、日本体育学会会員。

盛り上がる日本テニス ジュニアに突き付けられる「課題」とは

公開日: 更新日:

 全仏オープン男子シングルスは、第8シードのバブリンカ(スイス)が第1シードのジョコビッチ(セルビア)を下して初優勝を飾った。残念ながら錦織圭は、準々決勝でツォンガ(フランス)にフルセットで敗れ、初のグランドスラム制覇はならなかった。

 いま錦織の大活躍で国内のテニス界は盛り上がっている。しかし、錦織の活躍に頼るだけでは短期的なブームで終わってしまう。錦織に続くためには、日本人選手の自己イメージを変えなければならない。

 スポーツ界では自己イメージに関して、有名な出来事が半世紀以上前に起こっている。それまでは陸上の1マイルレースで「4分は生理学的に破れない壁」という神話がまかり通っていた。4分切りは、エベレスト登頂や南極点到達よりも困難とされていた。しかし、1954年5月、イギリスのロジャー・バニスターが3分59秒4をマークすると、不思議な現象が起こる。他の選手たちも次々に3分台で走り出し、なんと1年以内に23人もの選手が4分切りを成し遂げたのだ。これは選手の自己イメージが変わったこと以外に説明がつかない。

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