中国人選手と契約のMLB 野球普及を目指す“本当の狙い”

公開日: 更新日:

 競技の特性を利用したい米政権の思惑もあって、これまで以上に野球を普及させようという機運が高まる。

 戦後の日本で急速に野球が普及していったように、自己犠牲のかけらもないお国柄だからこそ、いったん火が付けばそれこそ広大な国土の隅々まで野球が浸透していくかもしれないのだ。

「北米大陸以外の最大のマーケットは日本ですから、MLBはそれ以外の市場を確保したいのでしょう。ターゲットは中国の子供たちです。レッドソックスが中国に目をつけた08~09年ごろ、MLBは『プレーボール』というプログラムを作り、富裕層を狙いました。子供たちが野球に興味をもち、面白いスポーツだと思えば自然と普及していきますからね。中国の最近の中央指導部は米国帰りの若手指導者が増えています。2、3世代後に向け、徐々に野球という競技の裾野は広がっていくかもしれません」(鈴村氏)

 MLBに新たな市場として中国を積極的に取り込みたい意図があり、13億人超の国民が野球に対して本気になれば、日本人メジャーリーガーは間違いなく割を食う。もちろん、3年や5年の短期間のうちに中国人特有の気質が変わるとは思えない。

 しかし、やがては中国人大リーガーも続々と誕生するだろうし、米国の日本人選手は働き場所を奪われても不思議ではない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手