32年ぶり五輪切符の水球男子はなぜ水連の“お荷物”に?

公開日: 更新日:

■受け皿がなければ…

 いずれもプロのクラブとはいえ、水球選手の年俸は同じ欧州のサッカー選手とは異なり格安。欧州の水球メディアなどによれば、最も待遇が恵まれているイタリアリーグ(セリエA)でも、高給取りでさえ5万7000ドル(約690万円)程度、安い選手は3万6000ドル(約440万円)。日本のサラリーマンの平均年収と大差ない。故障した場合の保障などもチームによってまちまち。試合中のケガでも長期欠場を強いられる場合は即、契約を解除されるのは珍しくないという。

 日本水連では東京五輪に向けた強化の一環として、水球、飛び込みのナショナルトレセンの新設を検討している。お家芸の競泳と合わせて5年後にはメダル量産、上位入賞を目指す方針だが、大学生の受け皿を増やさない限り、競技人口は増えず強化にはつながらない。

 施設の充実も大切だが、優先すべきは選手がプレーできる環境づくりだ。32年ぶりの五輪出場でマイナースポーツがにわかに注目されているものの、このままでは一過性に終わりかねない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘