なぜ2時間6分30秒 国内男子マラソン「設定記録」の無謀

公開日: 更新日:

 日本の有力選手が惨敗した28日の東京マラソンを見て、「設定記録」というものに疑問を持った者は少なくないだろう。

 日本陸上競技連盟(以下・陸連)によるリオ五輪マラソン代表の選考基準の一つである設定記録は、女子2時間22分30秒、男子2時間6分30秒。女子は福士加代子が1月の大阪国際でクリア(2時間22分17秒)したが、男子は手が届きそうにない。12月の福岡国際で総合3位(日本人1位)の佐々木悟は2時間8分56秒。東京で日本選手トップ(総合8位)の高宮祐樹(28)は2時間10分57秒と、2時間10分も切れなかった。

 東京マラソンに優勝したフェイサ・リレサ(エチオピア)のタイムも2時間6分56秒。あの軽快な走りでも設定タイムに届かないのだ。

 東京マラソンは、コースレコード(2時間5分42秒)や世界記録(2時間2分57秒)を更新すれば、それぞれ300万円、3000万円の大金が出る。海外勢で2時間7分を切った選手は7人いた。アップダウンの多い東京で世界記録更新は無理にしても、世界のマラソンレースで賞金を稼ぎまくっている連中は、当然コースレコードを狙っていたはずだ。主催者も2時間5分台を見据えて、ペースメーカーに1キロ2分58秒のハイペースを命じていた。それでも2時間6分30秒さえクリアできなかったのに、どうして今の日本選手が出せるというのか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも