<第1回>ドジャースでは計40人ものクビが飛んだ

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 国際部長やその下で人事にかかわる人物の策略もあったにせよ、スカウト部門に携わる人間が大量に解雇されたのは、パソコンではじき出された数字によって選手の実力を測るシステムの影響が大きい。

 同様にマネーボール理論によってチームづくりをする球団は増え、30球団で計20人近くのスカウトが路頭に迷い、組合に駆け込んだようだ。

 スカウトの勘や主観は確かに、アテにならない部分も多いかもしれない。その点、数字を利用すれば、選手の実力は客観視できる。数字が悪いとは言わない。

 しかし、選手の実力を測る要素は数字だけではない。どれだけ数値が高くても、人間性や性格に瑕疵がある選手は、メジャーで大成しないケースが圧倒的に多い。そういう傷まで数値化できるならともかく、現在のセイバーメトリクスは、そうではない。あくまで記録として、スコアブックに残るさまざまな要素をデータ化したものにすぎない。数字も大切だが、それだけで選手の実力を正確に把握することはできない。数字を補うのは我々スカウトの頭や足、経験から得た判断基準だと思うのだ。

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