自己申告ゼロでNPB“終幕” 野球賭博問題の風化を危ぶむ声

公開日: 更新日:

 申告期限が過ぎた。元巨人の4選手が関与していたことが明るみに出て大騒ぎになった一連の野球賭博問題は、このところすっかり沈静ムードだ。職場や居酒屋などで連日話題になっていた「ビッグニュース」も風化しつつある。事件発覚当時は怒りの声を上げていたファンも、先月25日にプロ野球が開幕すると、せっせと球場に足を運んでいる。4月24日までの観客動員数(1試合平均)は、セ(3万835人)パ(2万4870人)とも昨年とほとんど変わらない。

 開幕から1カ月が経ち、野球賭博に関与した者の「自主申告」が昨25日に締め切られた。これは、日本野球機構(NPB)が12球団に了解を得てつくった「時限立法」で、4月6日から25日までと期間を限定し、この間に野球賭博への関与を自ら申告した者には「特典」を設けた。無期失格処分が下されても、1年後に真摯な反省が見られれば「1年間の失格」に変更され、その時点で処分が解除されるというものだ。

 だが、案の定、自己申告者はゼロ。当初から、「自ら名乗り出るヤツなどいない」と言われていた通り、26日午前にNPBの井原事務局長が、“申告期間中に、申し出てきたプロ野球関係者はいなかった”と発表した。自白なし、相談なし、情報提供なしという、ないない尽くし。NPBの思惑は完全にアテが外れた格好だが、そもそもこの“減刑措置”がおかしな話なのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘