首位広島に総力戦も 中日「勝利への執念」に周囲冷ややか

公開日: 更新日:

「なんだか優勝決定戦みたいですね」

 テレビ解説の権藤博氏はそう言っていた。26日の広島戦。最下位に沈む中日が、確かにこの日は目の色が違った。

 先発の八木が6回1失点で降板すると、1-1の同点で迎えたその裏に2死一、三塁から荒木が三塁線へセーフティースクイズを敢行。必死の形相で駆け出した38歳のベテランが一塁へ頭から飛び込み、ユニホームを泥だらけにして勝ち越しの1点をもぎ取った。

 その1点を守ろうと、七回からは小刻みな継投策に出る。2番手の又吉が1死一、二塁とピンチを招くや、3番手の岡田を投入。その岡田が八回に1死一、二塁としたところで、すかさず森監督代行がベンチを飛び出して、祖父江にスイッチ。同点とされて迎えた九回には、守護神の田島をマウンドに上げるなど、地元記者も「おいおい、きょうはやたらと必死だな」と驚く勝利への執念を見せたのだ。

 結局、田島が1死満塁から菊池に決勝の左前適時打を浴びて逆転負け。奮闘むなしく敗れたチームに、ネット裏ではこんな声が飛び交っていた。

「白井オーナーがこっそり観戦でもしていたんじゃないか」

 ベンチの執念が額面通りに受け取られない。谷繁監督休養という不可解人事によって充満するチームの陰鬱とした雰囲気は、それだけ深刻ということだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし