「1~3番固定が勝因」 衣笠祥雄氏が広島25年ぶりVを語る

公開日: 更新日:

■マエケンが抜けても悲観せず

――昨季はエースの前田健太(現・ドジャース)がいて、優勝候補だったのにBクラスでした。

「過去に川口和久、江藤智、金本知憲らがFAでチームを出ました。ずいぶん選手が出ていますが、面白いのはいつも前の年より成績が悪くなってないんです。不思議なんですが、今年も悲観していませんでした。危機感が生まれるんでしょう。自分たちがやるしかないというね。前田は15勝している投手。誰が見ても落ちると考えるのが普通。それが優勝ですからね」

――緒方監督との思い出は?

「ボクの現役最後の1年ですね。高校(佐賀・鳥栖)から入ってきましてねえ。新人の緒方君と初めてキャッチボールをした時、ボールがまともにこなかったんですよ。もともとショート。そういう触れ込みで来たんですが、キャッチボールで『これは内野手は無理だな』と思いましたね。昨年、監督になった時、ちょっと思うところはありました。へーえ、あの子がこんなになっちゃったんだってねえ。時間の経過と言いますか、緒方という監督が、一人の選手から、よくここまで頑張ったなあと。ケガの多い選手でねえ。足が速いので肉離れがありましたね。苦労したんです。レギュラーに定着するまで、おおかた10年近くかかったんですが、そこから先はスピードと長打力で期待通りの成績を残して、引退後はコーチとしていろいろな角度から野球を見ました。昨年はこれまで横で監督を見ていたのと、自分が監督になったギャップに悩みましたね。ここ何年か、あと一歩のところで負けてきた選手が勝ち切れた。この経験は来年以降につながります」

▽きぬがさ・さちお 1947年1月18日、京都府生まれ。65年に平安高(現・龍谷大平安)から広島に入団。87年に引退するまで23年間活躍。日本記録の2215試合連続出場。歴代3位の678試合連続フルイニング出場。87年に国民栄誉賞を受賞。96年に野球殿堂入り。愛称は「鉄人」。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  1. 6

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 9

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 2

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  5. 5

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー

  1. 6

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  2. 7

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  3. 8

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  4. 9

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  5. 10

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪