SBは即戦力期待も 田中正義が抱える「右肩痛」は大丈夫か

公開日: 更新日:

 その瞬間、工藤監督の表情がほころんだ。

 ドラフトの目玉・田中正義(創価大)は5球団の指名が競合、当たりクジを引いたのはソフトバンクだった。
「5分の1で、自分でも信じられない。足が震えた」

 工藤監督は頬を紅潮させてこう言うと、「腕の振りより、球が速く感じる投手。開幕投手を目指せるだけの力はあるし、即戦力と考えている。早く投げる球が見たい」と続けた。

 3年連続日本一を目指した絶対王者が、今季はレギュラーシーズンもCSも日本ハムの後塵を拝した。大学生ナンバーワン右腕とはいえ、ルーキーを「即戦力」と捉えなければならないほど、その台所は逼迫しているということだ。

 田中の懸案事項は右肩だ。今春痛めて、この秋に復帰したばかり。高校時代にも一度、やっている。どこよりも創価大と太いパイプをもつ日本ハムも1位でいったことを考えれば、さほど深刻ではなさそうだが、肘と違って肩の故障は看過できない。時間をかけ、より慎重な調整が必要になるかもしれない。

 加えて「変化球がいまひとつだし、フィールディングや牽制は、まだまだ磨く必要がある。素質はピカイチでも、いきなり一軍でバリバリ働ける保証はない」とは、あえて田中を指名しなかった球団の編成担当者。工藤監督が「即戦力」と喜々とするのは、早計かもしれない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった