横綱白鵬には恩恵 大相撲に小兵力士ブームひさびさ到来

公開日: 更新日:

 相撲ファンの間では「新ちびっこ旋風」と呼ばれているそうだ。

 近年、小兵力士の躍進が目覚ましい。先場所は173センチ、114キロの石浦が新入幕。十両では173センチ、128キロの業師・宇良が活躍しており、今場所からは168センチ、116キロの照強も十両に昇進した。

 幕内の平均体重は161.5キロ、十両でも同154.8キロと力士の大型化が進む中、彼らはスピードで大型力士を翻弄している。

 同じように土俵に小兵旋風が吹き荒れたのが、昭和50年代初期。「ちびっこギャング」の異名を取った関脇・鷲羽山を筆頭に、大関・旭国、関脇・北瀬海と、小柄な力士が三役を務めた。

 ベテラン相撲記者は「小兵時代再来なら、喜ぶのは白鵬でしょう」と、こう話す。

「小兵力士は奇襲に動じない相手を苦手とする傾向がある。白鵬は生半可なことでは動じず、何より反応の速さは角界随一ですからね。かつては横綱輪島も、相手を冷静に観察することで鷲羽山らをカモにしていた。対鷲羽山戦は18戦全勝、旭国にも30勝4敗です。当時、力士としては晩年に差し掛かっていた輪島が復活したのも、彼ら相手に星を落とさなかったのが大きいといわれている。白鵬は同部屋の石浦と対戦することはないが、幕内には132キロの千代翔馬といった軽量級の成長株もいますからね」

 白鵬の時代はまだまだ続きそうだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」