今季W杯5勝 ジャンプ伊藤有希の開花に“レジェンド”の金言

公開日: 更新日:

 まさに急成長だった。今季5勝を挙げたノルディックスキージャンプ女子の伊藤有希(22)のことだ。

 今年1月のW杯札幌大会で、自身W杯77戦目にして初優勝すると、続く蔵王大会で連勝。韓国・平昌大会で4勝目を挙げ、「目標の大会」と言ったフィンランド・ラハティでの世界選手権では2大会連続の銀メダル。ノルウェー・オスロの最終戦では5度目の頂点に立った。

 急成長の要因について、あるスキー関係者がこう言う。

「伊藤は同郷(北海道下川町)の葛西紀明(44)を慕い、彼のいる土屋ホームに進んだことが大きい。葛西は伊藤を世界一のジャンパーにしようと熱心に教えているが、今季の開幕前は特別でした。恒例の宮古島合宿から、体力強化と細かいフォームについて指導し、夏から秋にかけてのジャンプ練習ではテレマークをきっちり決めてポイントを稼げとも言った。葛西は男子のような力強さと、繊細さを合わせたジャンプを伊藤に求めている。それで伊藤は筋力トレーニングの時間も増えたのです。伊藤はトレーニングや練習の時間が長いことで有名ですが、葛西から『休むのも練習のうち』と言われた今季は心身に余裕ができた。そんなもろもろのことがいきなりのW杯5勝と個人総合2位という結果につながったのです」

 今季、男女を通じ最多タイの通算53勝目を挙げた高梨沙羅(20)は2年連続4度目の総合優勝を果たしたものの、金メダルを狙っていた世界選手権は3位に終わった。来年の平昌五輪は大舞台に弱い「女王」より、伊藤の方が期待できそうだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?