著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

計算しっかり 対戦相手揺さぶるMLB指揮官“あの手この手”

公開日: 更新日:

 2015年8月、タイガースのオースマス監督(当時)は7月末のトレードで、ライバルのロイヤルズが大物投手ジョニー・クエトを獲得したことに危機感を募らせた。そして、ロイヤルズ戦でクエトと対戦した際に、球審に「クエトの変則的な投球スタイルは2段モーションであり、違反投法だ」とクレームをつけ、短気なクエトを逆上させた。これが功を奏したのか、クエトはロイヤルズ在籍中は集中力を欠き、期待外れの働きしかできなかった。

■バットにイチャモン

 日本人選手では、デビルレイズ(現レイズ)入団1年目の岩村明憲が、ヤンキースのトーリ監督(当時)から心理戦を仕掛けられた。07年のヤンキース対デビルレイズ戦で、トーリは1番打者として活躍していた岩村の集中力をそぐ目的で、球審に「イワムラのバットは、ヘッドがのこぎりで切ったように真っ平らだ。これは違反バットだ。調べてほしい」と要求。その結果、岩村はバットを押収され、屈辱的な思いをする羽目になった。

 これを知ったタイガースの古狸リーランド監督(当時)はデトロイトでのデビルレイズ戦で岩村が打席に立った際、今度はバットの色をヤリ玉に挙げ、球審に「イワムラのバットは禁止されているカラーではないか」とクレームをつけ、さらなる屈辱を与えた。

 どちらも魂胆が見え見えのクレームだったが、岩村はこれをやられると打撃に集中できなくなるため、翌年、無難な形状の青バットに替えている。

 名将の誉れ高い監督でも、裏に回れば平気であくどいことをするのがメジャーリーグなのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情