著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

計算しっかり 対戦相手揺さぶるMLB指揮官“あの手この手”

公開日: 更新日:

 ダイヤモンドバックスの平野佳寿がメジャー初勝利を挙げた4月8日のカージナルス戦は、序盤から大荒れの展開。二回にDバックスのロブロ監督は、球審が低めに外れたボール球をストライクと判定したことに激高。ベンチを飛び出して相手捕手のヤディエル・モリーナに、聞くに堪えない罵声を浴びせて詰め寄り怒鳴り合いに発展したため、球審から退場処分を受けた。

 ストライク・ボールの判定に不服なら、球審に文句を言うのが筋だ。同監督がそれを承知で、相手捕手のモリーナにアタックしたのは、球審がボール球をストライクに見せる魔術師モリーナの術中にはまっているからで、ストライクゾーンを正常化させるには元凶の名捕手に直接プレッシャーをかけるしかないと判断したのだ。

 このように、監督が相手チームの選手とやり合う場合は一見、感情に任せて暴走しているように見えて、実際はしっかり計算してやっていることが多い。策士タイプの監督の中には、ライバルチームの中から狙いをつけた選手の集中力をそぐ目的で「ルール違反」「○○疑惑」のレッテルを貼る作戦に出る者もいる。

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