興行優先、TV局の意向…比嘉大吾の「計量失敗」は誰の罪か

公開日: 更新日:

 本人は憔悴しきっているという。

 体重超過のためWBC世界フライ級王座を剥奪された比嘉大吾(22=白井・具志堅)。計量失敗による世界王者の剥奪は日本ボクシング界史上初の失態とあって、「試合が決まった以上は(体重を)落とすのは当たり前」(帝拳ジム・浜田代表)、「出場停止や罰金など厳格な処分を考えざるを得ない」(日本ボクシングコミッション=JBC・安河内事務局長)と厳しい視線が向けられている。

 今年2月に受賞した沖縄県民栄誉賞も辞退することになった比嘉は、16日になって所属ジムのホームページで<プロとしてとても恥ずかしいことです>などとする謝罪文を発表したが、ボクシング界には実は同情の声も多いという。ボクシングに関する著書の多いノンフィクションライターの織田淳太郎氏が言う。

「そもそも、比嘉の体格でフライ級(50.8キロ)を戦い続けるのには無理があった。本人も世界王者になる前から、『階級を上げたい』と訴えていたそうです。王者を獲得した昨年5月の世界戦でも減量苦からパニック障害に陥り、今年2月の2度目の防衛戦の際も脱水症状になっている。今回は汗の一滴も出ない状態だったというのだから、内臓への深刻なダメージも懸念される。いずれにしろ、フライ級ではもう限界だったのです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較