企業も歓迎 合宿生活が証明書になる一橋大ボート部の就職

公開日: 更新日:

 日大アメフト部の前代未聞のラフプレーで学生スポーツが注目されている。大学の看板を掲げる以上、体育会の活動は教育の一環であるはずだが、危険なタックルで勝利を手にしたとして、はたして大学や学生は何を得るのか。そもそもスポーツは彼らに何をもたらすのか。今週は学生スポーツの現状を探る。

■なぜ就職に強いのか?

「まず獣身を成して後に人心を養え」と説いたのは福沢諭吉である。子供のころは体を鍛え、勉強はその成長を待って始めればよいとした。大学の体育会も勉強は二の次だ。練習のために授業に出られず、お目こぼしで単位をもらうなんてこともざらである。

 それでも就職になると強い。企業も歓迎する。立命館大教授の西山昭彦氏(人材育成論)は、「圧倒的に有利だと痛いほど感じますね」と言う。西山氏は昨年度まで一橋大の特任教授として、学生のキャリア支援を担当していた。

「一橋大は、全体の35%が体育会に所属していましたが、とりわけ就職に強かったのがボート部ですね。ボート場がある戸田(埼玉県)で8人同室の合宿生活を送り、競技の面でも上位の実績を残している。これは企業人としても十分にやれるという“証明書”になります。ほかの学生が“頑張ります”と言っても、それは不確かな将来の予測に過ぎませんが、彼らは間違いなく目標に向かって頑張れるという証拠を持っているわけです」(西山氏)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」

  5. 5

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  1. 6

    侍J井端監督 強化試合メンバー発表の裏に「3つの深謀遠慮」…巨人・岡本和真が当選のまさか

  2. 7

    メジャー今オフにも「二刀流ルール」撤廃の可能性…ドジャース&大谷翔平に他球団のやっかみ集中

  3. 8

    “児童ポルノ”で衝撃逮捕!日本サッカー協会・影山技術委員長の素性…「精神的な負担を抱えていた」の声も

  4. 9

    奈良の鹿愛護会が語った現場のリアル…「シカさんをいじめるな!」の裏に横たわっている大問題

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発